ヨーロッパ退屈日記
「この本を読んでニヤッと笑ったら,あなたは本格派で,しかもちょっと変なヒトです」
山口瞳さんによる、そんなキャッチフレーズが書かれた本を僕は友達に教えてもらいました。
本は人との出会いであり、対話であるとよく言われますが、中でもエッセイは筆者と特別で親密な関係を結ぶのだと思います。
そう僕は「伊丹十三」と出会ったのです。
ヨーロッパ退屈日記
伊丹十三
1965年3月第1刷刊行
発行所:文藝春秋新社
1976年7月文春文庫にて収録
2006年3月1日復刊
発行所:新潮社
「伊丹十三」とは知れば知るほど、多くの人を魅了した人物であることがわかってきます。そのことがわかるサイトをいくつかここにあげておきます。
おそらく知識という点ではこの本に書かれていることは現代では決して画期的な発見ではなく、その点では出版した当時とは大きく状況が変わっているといえます。
ですが、決してそこが重要なのではないのだと思うのです。
29歳のちょっと年上のお兄さんは、現代失われつつあるユーモアを教えてくれます。
それは礼儀作法であり、ちょっとした豆知識であり、哲学でもあります。
こんな人と僕は出会ってきませんでした。それはまさにカルチャーショックそのものでした。
密会後、僕はついついニヤッと笑っていました。